高校時代からファッション一筋。洋服への愛で極めたアパレル人生

高校時代の放課後はほぼ毎日原宿に通い、古着屋やアパレルショップを巡っていたほどファッションに熱を注いでいたという滋田さん。一から服を製作したり古着をリメイクしたりして自分だけの洋服を作りたいと考え、服飾系の大学へと進学します。洋服への情熱をさらに温め、あらゆるファッションの知識を身につけた滋田さんは、大学卒業後に販売員としてアパレル業界に飛び込みました。

ーー服飾学生からアパレル業界に踏み出した第一歩を教えてください！

滋田さん：大学卒業後、ファッションに関わっていくうえでまずは販売員として働きたいと思い、アパレル人生をスタートさせました。レディースブランドの販売員に憧れていましたが、販売員としてのノウハウや洋服の知識を学びながら働きたいと思っていたので、メンズのスーツ屋さんに就職しました。深い知識が必要とされるスーツ屋での経験は、知識やノウハウを叩き込むためのいい場所だったし、自分の接客のルーツだと思います。

ーーコミュニケーション力重視なお仕事だと思うのですが、自分の接客スタイルへのこだわりはありますか？

滋田さん：買い物をするときに、自分だったらどう接客されたいかを常に考えながらお客様と接しています。私は接客されるのがあまり好きではないタイプなので、執拗に接客はしたくないなと思っています。セリフのように「いらっしゃいませ」を言ったり、無理矢理話しかけたり、近寄りにくい雰囲気のお店にはしたくないので、ガツガツ話しかけにいくとかではなくて、お客様が心地いいと思える距離感と的確なタイミングで接客するように心がけています。

アパレルスタッフの顔だけでなく、小学生姉妹のママでもある滋田さん。どこまでもパワフルな彼女は、お子さんが習っているバレエのサポートも手を抜きません。バレエ経験者ということもあり、舞台の裏側にも携わっていたいという強い思いから、毎年行われるバレエ発表会を進んで手伝っているといいます。

仕事復帰で再確認した、自分が一人の女性として輝ける場所

今ではハードな生活を送っている滋田さんですが、妊娠をきっかけに一度アパレル職を離れた時期があったのだとか。子育てが少し落ち着いて職場復帰を考えていた頃、今のアパレルショップと運命のような出会いをしたといいます。

ーー子育てをしながらのアパレル業復帰はどのような流れで決まったのですか？

滋田さん：あるとき、ご縁があってブランドの展示会にいきました。その際に本部の方とお話して、住んでいる場所の近くに店舗ができることを聞いたんです。約5年のブランクはありましたが、大好きなアパレル業に復帰できるチャンスだと思って、思い切ってオープニングで働くことを決めました。あの日展示会に参加してからとんとん拍子に事が進んで、いまではアパレルスタッフを再開して6年目になりました。

ーーハードな生活ながらも6年間続けてこれたのはなぜですか？

滋田さん：幼稚園にいけば娘の保護者だから「◯◯ちゃんママ」と呼ばれるんですけど、ママなことだけが自分ではないから違和感だったんです。でも、働き出してからは1人の女性としての自分の存在をちゃんと感じることができました。忙しくても続けてこれた理由はここにあるんだと思います。メイクもヘアセットもしてONモードの自分で居続けられるから、生活もメリハリを出せるんじゃないかなと感じています。ママとして、一人のアパレルスタッフとして2つの居場所があることで、気持ちの切り替えや時間の使い方がうまくなりました。忙しいけれど、心が充実していることが何よりだと思うので、今後も続けていきたいなと思います。

ーー今後もアパレルを続けていきたいとのことですが、滋田さんの今後の目標を教えてください！

滋田さん：アパレル業界も商品の売り方が変わってきて、ショップスタッフがInstagramなどのSNSを活用して発信するようになりました。SNSの分析もしつつ、戦略的に服を売れるように工夫していきたいですね。今働いているブランドはお客様に近いスタッフの声を大切にする本部の雰囲気がとてもいいなと思うので、いずれは本部側の仕事に携われたらいいなと思っています。ファッションはめまぐるしく変わっていくので、まだまだ勉強をしていきたいですね。