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動き

地面との唯一の接点である足は、スポーツや運動においても重要なポイントです。
ふだんはあまり意識することのない足の裏ですが、その構造と自分の足の性質を理解することによって、パフォーマンスアップや怪我の予防につなげることが可能です。

モーション
足とスポーツ
運動が招く足の怪我
スポーツによる足の変形
足とスポーツ
運動が招く足の怪我
スポーツによる足の変形

足とスポーツ

スポーツを行う際、地面に力を伝える唯一の接点が足になります。そのため、そこへのパワー伝達や使い方がパフォーマンスに直結していきます。
一方で、足の左右差や筋力差、種目別による足の特異な使い方などで、足部の歪みが生まれると、全身の歪みにもつながりやすくなります。そのような状態で運動を続けると、自分本来のパワーや技術を発揮しきれない事態を招くだけでなく、膝や腰などに過度の負荷を与えることで、慢性的な痛みを招いたり、怪我の誘発につながります。
足部の不調によってスポーツ中に起こる怪我で多いのが多発疲労骨折です。扁平足や凹足によって一部の骨に負担がかかることで生じやすくなります。
骨折率の推移
スポーツにおいて扁平足はパフォーマンスの低下を招きやすいタイプとも言えます。足が回内することで足の骨同士の結合がゆるみ、前足部の安定が低い状態となっています。そうなると動く際に地面に十分な力を伝えることができなくなり、競技における走行スピードの低下につながる可能性が高くなります。
安定性を欠くことで前後左右の動きのブレなども出てくると、運動の精度低下にもつながります。加えて、その崩れたバランスを補うために、本来使わない余計な筋肉を稼働させてしまうと、筋肉疲労にもつながるため、さらにパフォーマンスは落ちていきます。
また、足の変形によって足裏の神経自体に障害が出てくると、足裏の感覚が乱れてしまい、こちらも運動能力の低下を招く可能性があります。運動中も足のポジションを適切に保つことで、パフォーマンスの低下や怪我は予防することが可能です。長くスポーツを楽しむためにも、積極的に取り入れましょう。

運動が招く足の怪我

スポーツは自らの限界に挑戦する側面もあるため、怪我はつきもののように考えられています。しかし足をケアすることで、その多くを防ぐことができることを知っておくべきでしょう。
スポーツは健康な方が行うものですので、足の機能にそこまで問題を感じていない人が多いかもしれません。しかし、過度なストップアンドゴーや、オーバーユースなどがあると、足への負担が増えるため、怪我へとつながります。ベースとしてスポーツを行うことは足部の障害を引き起こす可能性が高いと認識しておきましょう。
例えば扁平足障害は、足の機能を従前に使用することができないため、オーバーユースになりがちです。ランニングなどで代表的なシンスプリントやランナーズニー、鵞足炎、スプリング靭帯損傷などはこれら足の使いすぎが原因の一つとされています。
足の怪我として県年増えているのがジョーンズ骨折です。ジョーンズ骨折は、ランやジャンプといった動きによって過度の体重負荷が、足部アーチに繰り返し加わり続けることで発生するスポーツ障害で疲労骨折の一種です。サッカーなど人工芝でスパイクを履くような競技だと、小指の中足の外側に過度に負荷がかかり続けてしまい、知らないうちにジョーンズ骨折につながる場合もあります。
これらのスポーツ障害は足のポジションを正しく保つことである程度防ぐことは可能です。そのためにも自分に合ったインソール型矯正装具をしっかりと使い、自分の足を正しい位置に整えたり、アーチを支えてあげることが大切です。

スポーツによる足の変形

スポーツの種類によっては、足を歪めることを目的としたシューズを使用するケースもあります。その代表例がバレエやボルダリングのシューズになります。また、サッカーのスパイクシューズなども足へ過度な負担をもたらします。これらは競技のパフォーマンスをあげることだけを考えて作られているため、上達は早いですが、長く使用することで骨が変形し、日常生活にまで支障をきたすようになります。
スポーツを長く続けるため、健康であり続けるためにもスポーツをしていない時間のメンテナンスが非常に重要です。
三角骨と痛みの出やすいスポーツ例
他にも、バレエやサッカーは足首の底屈動作が多いため、後方のインピンジメント(衝突)障害が増えたり、三角骨障害を招きやすいのも特徴です。これらは動作が含まれるためインソールだけでは補いきれません。日々のストレッチや筋力トレーニングなどでメンテナンスをし続けることが予防につながります。

医師監修:村井峻悟 先生 李家中豪 先生
理学療法士監修:河辺信秀 先生

足と歩行の診療所 荻窪院・蒲田院グローバルポダイアトリーパートナークリニック